授業時数特例校制度実施要項
1 趣旨
文部科学省は,小学校,中学校,義務教育学校及び中等教育学校の前期課程において,各学校又は当該学校が設置されている地域の実態に照らし,カリキュラム・マネジメントに係る学校裁量の幅を拡大させ,教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成や探究的な学習の充実等に資するより効果的な教育を実施するため,当該学校又は当該地域の特色を生かした特別の教育課程を編成して教育を実施する必要等が認められる場合に,当該学校を学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第55条の2(同令第79条,第79条の6及び第108条第1項において読み替えて準用する場合を含む。)に基づき,教科等ごとの授業時数の配分の変更による特別の教育課程を編成して教育を実施することができる学校(以下「授業時数特例校」という。)に指定する。
2 授業時数特例校の申請
(2) 学校は,上記の申請に先立ち,申請を予定している特別の教育課程の内容について,当該学校に関する保護者及び地域住民その他の関係者への説明を行うものとする。
3 授業時数特例校の指定
文部科学省は,授業時数特例校指定申請書に記載された特別の教育課程編成・実施計画を審査し,学校教育法施行規則第55条の2,学校教育法施行規則第55条の2等の規定に基づき同令の規定によらないで教育課程を編成することができる場合を定める件(平成20年文部科学省告示第30号)第2項に定める基準及び次の各号に定める事項をいずれも満たしていると認めるときは,当該学校を授業時数特例校に指定する。
一 教育課程の編成に当たって,各学年における各教科の授業時数について,標準授業時数(学校教育法施行規則に定める授業時数の標準をいう。)の1割を超えない範囲内の授業時数を減じ,他の教科等の授業時数に充てること
二 標準授業時数を下回って教育課程を編成することができる教科は,次に掲げる学校の種類ごとに定めるものに限ること
イ 小学校 学校教育法施行規則第50条に規定する各教科
ロ 中学校 学校教育法施行規則第72条に規定する国語,社会,数学,理科,音楽(第1学年に限る),美術(第1学年に限る),保健体育及び外国語の各教科
ハ 義務教育学校 前期課程にあっては学校教育法施行規則第79の6第1項において準用する同令第50条に規定する各教科,後期課程にあっては同令第79条の6第2項において準用する同令第72条に規定する国語,社会,数学,理科,音楽(第1学年に限る),美術(第1学年に限る),保健体育及び外国語の各教科
ニ 中等教育学校の前期課程 学校教育法施行規則第108条第1項において準用する同令第72条に規定する国語,社会,数学,理科,音楽(第1学年に限る),美術(第1学年に限る),保健体育及び外国語の各教科
4 特別の教育課程編成・実施計画の変更
(2) 学校は,上記の申請に先立ち,原則として,申請を予定している特別の教育課程の内容について,当該学校に関する保護者及び地域住民その他の関係者への説明を行うものとする。
5 特別の教育課程編成・実施計画の廃止
6 実施状況の公表等
(2) 管理機関は,(1)による公表の状況について,実施初年度の5月31日までに,都道府県の教育委員会若しくは知事又は構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体を経由して(国立大学法人及び指定都市教育委員会にあっては直接),文部科学省に報告するものとする。
(3) 文部科学省は,授業時数特例校における特別の教育課程の実施状況について,報告を求め,又は実地に調査することができる。
7 措置の要求
文部科学省は,特別の教育課程の適正な実施のため必要があると認めるときは,指定を受けた授業時数特例校の管理機関に対し,当該特別の教育課程の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。
8 指定の取消
文部科学省は,次の各号のいずれかに該当するときは,授業時数特例校の指定を取り消すことができる。
一 管理機関が,4の(1)の規定による特別の教育課程編成・実施計画の変更の承認を受けなかったとき
二 授業時数特例校が,6の(1)及び(2)の規定による実施状況の公表等に係る義務を怠ったとき
三 授業時数特例校において,特別の教育課程編成・実施計画の円滑かつ確実な実施が現になされていないことが明らかであるとき又は見込まれなくなったとき
この大臣決定は,令和3年7月30日から施行する。