東村山市立久米川東小学校 (東京都)

都道府県名

東京都

研究開発課題

外国語科・外国語活動と各教科等との統合を図ったCLIL(内容言語統合型学習)を用いた指導方法を取り入れた研究開発を行い、他者とのコミュニケーションの基盤を育成する学習活動を展開するとともに、創造的思考や感性・情緒等を踏まえた学習活動を展開する中で、英語に触れながら考えたり表現したりすることを通し、豊かなコミュニケーション能力の育成と各教科等における質的学力の向上を目指す。
そのために、外国語学習と各教科等の内容を統合させ、そこに深い学びを促す創造的思考や自分の思いや考えをいきいきと表現する感性・情緒等を踏まえた、小学校6年間のカリキュラムとして編成された新教科「eタイム」を創設する。
(※CLIL:Content and Language Integrated Learning)

研究の概要

外国語科・外国語活動においては、他者とのコミュニケーションを行う力を育成する観点から、社会や世界との関わりの中で、外国語やその背景にある文化の多様性を尊重し、外国語を聞いたり読んだりすることを通じて様々な事象等を捉え、多様な人との対話の中で、情報や考えなどを外国語で話したり書いたりして表現して伝え合うことで思考していくことが重要である。
外国語学習において育成を目指す資質・能力は、「知識及び技能」「思考力,判断力,表現力等」「学びに向かう力,人間性等」の三つの柱とともに、言語能力向上の観点から、外国語習得の特質を踏まえつつ、他者とのコミュニケーション(対話や議論等)の基盤を形成する観点を外国語教育の資質・能力全体を貫く軸として重視しつつ、他の側面(創造的思考、感性・情緒等)からも育成を目指す資質・能力が明確となるよう整理することが求められている。

本研究では、外国語学習における言語の果たす役割を、(1)知的活動(特に思考や論理)の基盤、(2)感性・情緒の基盤、(3)他者とのコミュニケーションの基盤として捉え、国語科を中核としつつ、外国語学習を含めた全ての各教科等での言語活動の運用を通じて、論理的思考力をはじめとした様々な能力を育成することを目指して取り組む。

特に、外国語科・外国語活動では、(3)他者とのコミュニケーションに関わる活動を軸としつつより豊かに資質・能力を育成するための学習が行われているが、外国語(英語)を用いて考えたり、理解したりする(1)知的活動としての創造的思考や、外国語(英語)を通して言葉の美しさや温かさに触れたり、伝え合うことで人間関係が豊かになったりする(2)感性・情緒等も踏まえた学習を実現する必要がある。そのためには、外国語科・外国語活動の改善を図るとともに、児童が各教科等における学びを通して獲得した知識・技能を実際のコミュニケーションにおいて活用し、外国語(英語)を通して思考・判断・表現することを繰り返すことを通じてさらに知識が獲得され、学習内容の理解が深めるなど資質・能力を相互に関連させながら育成を図る取組が重要である。

そこで、本研究では、外国語科・外国語活動と各教科等をつなぐ役割を担う新教科「eタイム」を設置し、教育課程の編成、授業における指導方法及び評価計画の研究に取り組み、以下の3点を教育開発し、実践する。

1点目は、CLIL(内容言語統合型学習)の指導方法を用いたカリキュラムの開発である。CLILは、言語学習と教科内容を統合させ、そこに思考活動と協働学習、異文化理解を取り入れ、児童の体験的学習を促進する指導方法である。児童にとって、身近な各教科等における学びや生活に根差した簡単な事柄について聞いたり、話したり、調べたりしたことを通して自分の考えや気持ちを伝え合う力を身に付けさせる。

2点目は、小学校6学年を見通した外国語学習カリキュラムの開発である。新設教科「eタイム」を軸とし、外国語学習と各教科等における内容を統合して学習する時間「ロングeタイム」とロングeタイムに学習した表現や単語に繰り返し触れ、既習事項の定着を図る時間「ショートeタイム」を設定する。新設教科「eタイム」及び外国語科・外国語活動の総計として、低学年(第1・2学年)が35時間、中学年(第3・4学年)が70時間、高学年(第5・6学年)が105時間を想定しており、10分から15分の短時間学習(いわゆるモジュール学習)を含んだ教育課程の開発を行う。

3点目は、多様な他者との協働的な学びを実現する指導方法の開発である。ICT機器(タブレット型端末、遠隔教育システム、電子辞書等)を活用し、児童のコミュニケーションに対する意欲を重視し、多様な他者とのコミュニケーション方法を開発する。

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