上越市立大手町小学校(新潟県)

都道府県名

新潟県

研究開発課題

自分をつくり,未来を創る「自立」と「共生」を目指した6つの資質・能力を設定し,子供が資質・能力を統合して発揮する「探究」領域を中核に,論理的思考力の育成を図る「論理」領域等を置いた教育課程の編成を提案する研究開発

研究の概要

〇子供・保護者・職員の混乱を防ぎ,スムーズに現行の基準に基づく教育課程への移行を図るため

当校は,研究開発課題に取り組むために,すべての教科・領域等の内容を分解・再配置し,新しい教育課程を編成している。そのため,すべての教科・領域に当校独自の教科・内容名がつけられており,現行学習指導要領の名称と一致していない。現行の基準に基づく教育課程に戻す際は,「『ことば』領域の『コミュニケーションタイム』は,国語科の『話すこと・聞くこと」の内容にあたる』「『自律』領域の『ふれあい』は,特別活動の『様々な集団活動』にあたる」など,教科・内容名について,新任職員と共通理解を図ると共に,子供・保護者への丁寧な説明が必要である。そのため,急激に教育課程を変化させるのではなく,名称についての説明や時数に関する調整を行う1年間のソフトランディング期間を設けることで,子供・保護者・教師の混乱を防ぎ,スムーズに現行の基準に基づく教育課程への移行が図られると考える。
〇資質・能力をはぐくむ単元設計をより汎用性の高いものにしていくため

当校では,研究開発の過程で,6つの資質・能力の構成要素を捉え直してきた。それは,学習指導要領の3つの柱による目標設定を捉え直すことにつながった。領域活動のプロセス,すべての資質・能力で共通にはたらく思考の様式(コアスキル)や心のはたらき(コアマインド)等を整理し,単元設計に生かしてきた。例えば,「論理」領域の単元設計においては,論理的思考力の構成要素の「思考力・判断力・表現力」を,「発見する力」と「証明する力」に置き換えて単元設計し,子供が,コアスキル,コアマインドをはたらかせながら,自ら「しくみ」や「きまり」を発見し,その「しくみ」や「きまり」の確かさを証明しようとするような活動のプロセスを思い描いてきた。このような,領域固有の単元設計に向かう教師の意識は,現行の基準に基づく教育課程に戻ったとしても,活かされることもあるだろう。例えば,当校の教師が,従来の「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性等」の3要素で既存の教科の目標設定をしたとしても,教科の本質に迫る活動のプロセスを思い描き,3要素相互の関連を思い描いて単元設計することができると考える。しかし,そのためには,1年間のソフトランディング期間を設け,研究開発を通して見いだした単元設計の方法を活用しながら,現行学習指導要領の教科に戻した場合の単元設計の在り方について探る必要があるだろう。それは,当校の研究をより汎用性の高いものとして実証することにもつながり,研究においても有意義な期間といえる。

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